九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ(K-RIP)さんが、環境・リサイクル関連分野における産業の振興や新事業の創出を目的とした、1.可能性調査事業、2.製品開発事業、3.既存製品改良事業、4.その他事業、に係る助成を行うプロジェクトの今年度事業に、このほど弊社の水処理システムを採択していただきました。
プロジェクト名は、「油脂排水回収一時貯水槽における酵素処理の実用効果の実証」です。
プロジェクトの内容は、高濃度排水処理についての弊社の処理技術を用い、弊社の酵素を使った排水処理(CMシステム)に、佐賀大学の染谷教授が培養された「油脂分解菌」を使用し、両者の強みを活かした新方式(CMMシステム・仮称)により、回収したグリストラップ油脂分等の処理の実証を行うものです。
プロジェクトの目標は、焼却処分をしない、二酸化炭素の排出を抑える、など環境への負荷が小さい、新たな油脂含有廃水の処理方法として、新方式(CMMシステム)を確立させ、事業化の道筋を示し、本格的な稼働を目指します。
1976年の下水道法の施行により、レストラン等すべての事業用調理施設にグリストラップの設置が義務づけられることになっています。グリストラップは、厨房から出た油脂を含んだ排水が、そのまま下水道に流れ出ないように、槽内にせき止めておくもの。その槽に溜まった油脂分は、時間の経過とともに固形化、腐敗が進み、悪臭の発生や排水管のつまりの原因となり、定期的な清掃が必要となります。そのため、各店舗では専門の業者にメンテナンスを依頼しています。清掃業者が回収するグリストラップ槽内の油脂分等は固形と液状油脂残滓が混在しており、回収された油脂分は、専用車で収集運搬され、そのほとんどが産業廃棄物として焼却処分されています。焼却では、前処理として油水分離機で分離しますが、含水率が高く、燃焼効率が悪いようです。グリストラップ槽内の油脂分等は産業廃棄物の中の「汚泥」に分類されているため、事業系の廃油や汚泥を一般廃棄物として廃棄することは違法行為にあたります。その処理には、清掃、回収、運搬、乾燥、処分などの過程を要するため、コスト高となっている現状があり、今回の実証実験で、それらの課題を克服していこうと考えています。